製品安全・製造物責任法
私たちは多くの製品に囲まれて生活しています。その製品が安全だと信じて日々使用していますが、不良品であったり、構造上に不具合があって事故が起こる場合があります。電気ストーブからの発火や携帯電話やモバイルバッテリーの発熱・発火による事故、自動車やオートバイの誤作動による事故、子どもの玩具による事故、あるいは薬の副作用や食品による健康被害など、製品が原因で重大事故が発生することが日々報道されています。そういった被害が発生した場合、どのように対応すべきでしょうか。
製品を購入した販売業者に対して契約責任を追及する方法がありますが、製品を製造している製造業者(メーカー)に対する責任追及も検討すべきです。製造業者と消費者との間には契約関係がないため、契約責任は問えませんが、不法行為責任(民法709条)のみならず、製造物責任法に基づく損害賠償請求ができる場合があります。
製造物責任法は、森永ヒ素ミルク事件や薬害スモン事件、カネミ油症事件など、過去に生じた重篤な健康被害に対して、民法などの一般法では適切に救済できないことから特別法として立法された法律です。過失責任主義を修正して、欠陥責任を導入してものだと説明されています。
製造物責任法第2条は、「欠陥」とは、当該製造物の特性、その通常予見される使用形態、その製造業者等が当該製造物を引き渡した時期その他の当該製造物に係る事情を考慮して、当該製造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいう、と定義しています。「通常有すべき安全性を欠いていること」の解釈について、多くの裁判例が集積されていますが、製造物責任法に基づく損害賠償請求を行う場合には、条文とこれらの裁判例を熟知して対応する必要があります。
当事務所には、製造物責任法に詳しい弁護士がいますので、ご相談ください。