よくあるご相談事例

さまざまな法律問題について、皆さんがよく相談される典型的なケースをご紹介します。
なお、回答はあくまで一例にすぎません。

労働問題全般(労災補償・過労死事件を含む)

Q.
 労組ない職場の労働者代表は?

A.
「過半数代表者」を民主的に選ぶ

 勤務時間や賃金など、労働条件について会社側と交渉してくれる「労働者の代表」としてまず思い浮かぶのは、労働組合でしょう。ところが、中小企業などでは、労組がない職場も少なくありません。

 厚生労働省の統計では、雇用されている人の労組加入率(組織率)は2010年時点で18.5%。実に約8割の労働者が労組に入っていません。それでは、労組がなければ、職場の労働者を代表して会社と交渉をしたり、協定を結んだりする人はいないのでしょうか。

 たとえば大半の会社では時間外労働や休日労働がありますが、そのためには「労働者代表」との間で、法定労働時間を超えて働く場合に必要な労使協定を結んでおく必要があります。

 職場に労働者の過半数が入っている労組(過半数組合)があれば、その労組が自動的に労働者代表になります。しかし、労組がない場合や加入率が低い場合、複数の組合があってどこも過半数に達していない場合などは、労組とは別の枠組みで労働者代表を決める必要があります。

 このように、過半数組合がない場合に労働者代表として選ばれるのが、労働者の「過半数代表者」です。

 法律では、過半数代表者は、目的を明らかにしての投票や挙手など民主的な手続きで事業場ごとに選ぶとされています。選任の手続きに問題があれば、結んだ協定が無効になることがあるので、注意が必要です。

 もちろん、会社が適当に指名してはいけません。ある大手居酒屋チェーンで最近、一部の店舗で挙手などの手続きをとらずに過半数代表者を選んで残業の協定を結んでいたことがわかり、改善を求められています。

Q.
 会社の業績が悪いからと、突然辞めてくれと言われました。それも私だけが言われています。仕方がないのでしょうか。

A.
 業績が悪いことを理由とする解雇は、整理解雇といいます。整理解雇は労働者に何の責任もないのに解雇するというのですから、厳格な要件を満たす場合にだけ法律的に有効とされます。具体的には、

  1. 本当に解雇しなければならないほど、業績が悪いのか、
  2. 解雇しなくとも希望退職の募集など他の方法によることが本当にできないのか、
  3. 辞めさせる人の選び方が合理的なのか、
  4. 解雇しなければならない理由について、きちんとした説明や協議がなされたのか、労働組合がある場合、組合と協議をしたのかどうか、

という4要件をきちんと満たしていないと解雇は無効とされます。あなたの場合、他の従業員でなくなぜあなたなのかが問題となりますし、会社の説明も「業績が悪い」というだけでは、不十分です。

Q.
 私(女性)の、パートで勤めている(事務を担当)ある職場のことですが、先日、一日中20キロはすると思われる重いダンボール箱の積み上げを命じられ、以来、腰の調子が…。これって法律上何か問題はないのでしょうか?

A.
 女性にとって、重い荷物の上げ下げは、程度によっては胎盤にも影響する極めて危険な業務です。
 そこで、労働基準法では、妊産婦はもちろん、一般の女性についても、満18歳以上の場合で、20キロ以上(但し断続作業の場合は30キロ以上)の荷物を取り扱う業務に従事させてはならないと定めています(労働基準法64条の3第2項、女性労働基準規則2条)。これに違反してそのような業務に従事させた使用者らには、最高で6ヶ月の懲役又は30万円の罰金刑が科せられます(労働基準法119条1号)。
 使用者側にこの点について警告し、にも関わらず、今後もそのような業務に従事させられることがあるようでしたら、お近くの弁護士か労政事務所に相談に行かれたらいかがでしょうか。